【設立趣意】

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世の中の多くの「問題」と見なされている現象は、
あたらしいコミュニケーションの創造によって解決するのではないかと考えています。
コミュニケーションがスムーズに進むことによって、
「問題」と見なされている現象が「問題ではなくなったりするの」ではないか
という問いかけを、社会に対して投げかけてみようとしています。

僕は、いわゆる社会問題とされている多くの出来事は、
創造的な解決の糸口が見出せると思っていますが、
現時点で実際行われている事は、
「報道」という名の「広告」なのではないかと思っています。

例えば「大人の自殺者が3万人を超えました。せちがらい世の中です」という現実を
「広告」することによって、結果「そうか、せちがらい世の中だから、
みんなも自殺してるんだ、悪いのは世の中なんだよね。
おれも苦しいから自殺してもいいよね」というおじさんを増やしています。

「家出した女子中高生が歌舞伎町に集まっています。」という
「広告」を耳にした行き場所のない家出女子高生は、
「歌舞伎町にいけばなんとかなる」と、とりあえず歌舞伎町に行ってみることにします。

これは、日本人の「みんなやってるから、正しい」
と思ってしまう特質が有効に活用されています。

1998年頃、「キレる17才」というワードが「広告」された時、
最も感受性の強い当時の高校生達は、社会への不満が頂点に達していました。
彼等は、目の前に並べられたものに対して、
「いけてる」「いけてない」という「採点」をしていきます。
実に、彼等の目の前に並べられた社会からの提案は、
「いけてる」顔をもった、麻薬であったり、援助交際であったりしました。
それらの「大人たちからの提案」には、
実に巧妙で有効なブランディングが施されていました。

ビリヤードの球が勝手に転げ出す事がないように、現象にはすべて「原因」があります。
「偶然に」17才たちがキレはじめる、ということはないのです。
誰かが、キューを突いたのです。

このゲームは、実にフェアーです。
だって、誰でも、いつからでも参加できるのですから。
僕は当時23才、たった一人でした。
きっと誰かが仕掛け、一人勝ちしているゲームに、戦いを挑みました。
対象は当然、「キレる17才と呼ばれている人たち」と、それを観戦している大人たち。
それを報道しているメディア。
勝つなら、カッコよく勝たなければいけませんでした。
「問題は、自発的に起こる訳じゃない。みんな、いいプレーしようよ。」
23才・無名のたんなるガキッちょが、社会に対してもの申す為には、
絶対負ける訳にはいかなかったのです。

ある策を思いつきました。
みんなファッション感覚で悪いことをする。
ファッション感覚で○○する、本当は○○の中身はなんでもいいはず。
じゃあ…「いいこと」を「ファッション」にすればいい…。

そこで、自分の知っている「ブランドづくり」の知識と手法を総動員させることにしました。
そして、「いいことを100コすると、願いごとがかなう」という「雑貨」をつくり、
千円で「こそっと」販売することにしました。奇襲戦でした。
1年くらい経って、エッジの利いた女子高生達が、反応し始めました。
その数、15万人。15万人の高校生達が、千円もの大金をはたいて、
100個の「いいこと」を始めたのです。
それは社会現象となり、報道(広告)され、海外の新聞にも
「日本の文化」として紹介されました。

次の年、「キレる18才」という報道はありませんでした。

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