生きテク No.88

17歳の時にレイプされ堕胎した
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■生きテク提供者
名前: 名無しさん
性別: 女性
職業: 正社員
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■最も自分に過酷だった状況
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17歳の時に見知らぬ人にレイプをされ、その結果子どもを身ごもった。


当時女性が妊娠する仕組みすらもよく分かっておらず、生理が来ないことで初めて妊娠したことに気付いた。
そんな多感な時期での出来事だった。
両親は泣き崩れ、怒り狂った父親が警察に行くと言った。 でも私はそれを泣いて止めた。(知らない警察官に話しをするほどの余裕はなかった)


元来子どもが大好きで、どうしても産みたかったが
17歳という若さで育てられないことも同時に分かっていた。
そのため堕胎するしかなかった。

■どんなふうに苦しかったか?
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常に失った子どものことを思うと涙が溢れて止まらなかった。
その反面自分の不注意で「子どもおろしちゃった」と笑っていう同級生の言葉が心をえぐった。

私が無くした子の命も、この軽々しく扱われている命も一緒なのかと思うと、
辛くて、悔しくて、産んであげられなかった自分を呪った。


同時に時々PTSDなのか、フラッシュバックが起きるようになる。
その場所は様々で、知らない道を歩いていると当時の道から引きずり込まれてレイプされた記憶が蘇ってきて動けなくなったり
全く関係の無い場所、友達と遊んでいる時でも記憶がふと蘇ることがあった。
当時は知らない男性から突然触れられるのも怖かった。
そして私が苦しんでいる間も、レイプした男はのんきに生きているのかと思うと、やりきれない気持ちでいっぱいになった。


また、エイズへの感染の心配もあった。
結果が出るまでの数週間不安で泣き続けた。
検査の結果が陰性だったのが不幸中の幸いだった。


それでも、当時17歳の私の心が負った傷は大きすぎた。
その結果、リストカットを試みるが家族に見つかり失敗。

最後に自宅から飛び降りようとベランダに足をかけたとこで母親に見つかって断念した。

■かいけつ!
「これで助かった」という方法は?
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まず、親と親友から「あんたが死んだらどれだけ私が悲しむと思ってるの!」と泣かれたこと。
終始気丈にふるまってくれていた親友が唯一見せた涙に、心が痛んだ。
なんて馬鹿なことをしようとしていたんだろう、と。
自分のことを大切に思ってくれている人がいる以上、まだ死ねないと思ったし
亡くなった子どものために一生懸命生きようと思った。




でも生き続けるのには、背負ったものが大きかった。どこに悲しみをぶつけたら良いか分からなかった。
そこで子どもの供養塔を実家近くの墓地に立てた。
お地蔵さんの形をしている水子地蔵。
子どもはいなくなってしまったが、この水子地蔵を見るたびに亡くなった子の魂がそこに宿っているように思えた。 そうして供養をする対象が目に見えることで、少しずつ心が楽になっていった。

今も帰省する度に必ずお参りに行って、「お母さんは今こんなに元気にやってるよ」と話しかけてあげています。 少しでも天国に行かせてしまった子どもが寂しくないように。

最後は、時が癒してくれました
その後数年は思い出す度に泣き続けていました。
外で子どもを見るたびに、「産んでいれば、あの年になっていたのだろうか・・」と悔やみます。
それでも今となっては時間がずいぶん癒してくれました。
もうフラッシュバックは無く、当時のどこにぶつけたら良いか分からない悔しさも薄れてきました
ただし、完全に傷は癒えたわけではありません。

■その後。
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今は毎日元気に過ごしています。

また、事件から数年経って就職をしました。
その時、病気でうつを発症しましたが、17歳の時の当時の経験から二度と自殺はしようと思いませんでした。
さらに、私の過去を理解してくれる大切なパートナーも見つかりました。
ただし、今も傷は完全に癒えていないので、
近々カウンセリングを受け一旦フタをしていた傷と向かいあい、自分のためにも、パートナーとの明るい未来のためにも乗り越えていこうと思います。


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