生きテク No.9

片思いの恋から始まった過激ダイエットの結末は、重度の拒食症だった
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■生きテク提供者
名前: Mrs.Butterfly
性別: 女性
職業: 正社員
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■最も自分に過酷だった状況
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高校3年の時。
私が密かに思いを寄せていた同級生の男子が、
私の親友を好きになった。

彼女は、背も高くてモデルのように
スタイル抜群の容姿をしていた。
片や、当時の私はというと、
身長152センチ、体重58キロという
対照的なぽっちゃりスタイルだった。

そんな私が彼に振り向いてもらうためには、
「痩せてキレイになるしかない。
痩せたら彼が振り向いてくれるかもしれない」
そう思い込み、私の過激なダイエットは始まった。


食べ物をほとんど口にしない。
口にするのは水だけ。
その繰り返しの日々を送り続け、
夏休みの40日間程度で
一気に10キロ体重を落とした。

「私を丸いと言ったヤツらを、
ぜったいに見返してやりたい。綺麗になるんだ」
って自分に言い聞かせ続け、
ダイエット開始から2ヵ月後には
体重は20キロも減少していた。

体重が40キロを切ってからも、
乾いた雑巾を絞るように
ひたすらダイエットを続け、
2-3年後にはとうとう28キロまで……。


なにがなんでも体重を落とすんだと
過激なダイエットを取り組むうち、
いつのまにか拒食症へと変化していた。

拒食症になると、
痩せることが面白くなる反面、
太ることがとても恐くなる。

リバウンドすることが恐い。
「太った丸い自分に戻ってしまうのではないか」
という恐怖心から、
身体が食べ物を受け付けなくなっていた。
当然、身体は衰弱し、急激なダイエットの
影響から生理がとまった。

痩せてキレイになるどころか女性としての
魅力とは程遠い容姿になっていた。

親友のようなモデル体型になれば、
好きな人に振り向いてもらえると思っていたが、
現実は甘くなかった。

■どんなふうに苦しかったか?
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なぜ拒食症になってしまったのかを、
後々振り返って考えてみると
「親に対する復讐」という側面もあった。


私が拒食症になったら、
親は関心を示してくれるのではないか?
愛情をくれるのではないか?
……という親への歪んだ愛情から拒食症になったが、
親の関心は相変わらず弟に向けられ、
私へ愛情が注がれることは決してなかった。


「私はただ、関心を持って欲しいだけなのに……」
私の心には、不満だけが積もっていった。

さらに、そうした心の歪みは、友達にも向かっていった。
理解者として私が信頼を寄せていた友達と
喫茶店に入ったときのこと。

私はコーヒーだけを頼んだが、
その友達は迷わずケーキを頼み、こう言った。
「太るの気にしているの? ケーキ食べたら?
もうちょっと肉つけたほうがいいよ」

……なんで!? なんでそんなこと
言われないといけないの?
どうしても私を太らせたいの?


カーッとなった私は、ケンカ腰に、
「いらない。いらないっていってるでしょ。もう帰るわ」
と吐き棄てて店を出てしまったのだ。

冷静になったあとで、
「私、何やってるんだろうな……」って思った。

太ることへの恐怖心から、好きな物も食べられない。
誰からも愛されないし、存在価値を認めてもらえない。
そしてそんな自分がこの世でいちばん大嫌い。

「こんな自分が生きている価値なんてあるの?」
って思った。


苦労して痩せてみたものの、
心から笑えない日々を送り、
食べることに怯え、おどおどする毎日。

みすぼらしく変わり果てた自分を
鏡で見る度に、生きていること自体が苦しかった。

「こんな人生ならもう、死にたい……。
もう、おさらばしたい……」
本気でそう思っていた。

■かいけつ!
「これで助かった」という方法は?
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「いつになったら昔のお姉ちゃんに戻ってくれるの?」
弟の何気ない一言が目覚めるキッカケになった気がする。


私は何のために生きているの?
好きな物を好きなだけ食べたいけど、
恐怖心のせいで食べられない。
それで本当に幸せなの?
私は、痩せるために生きてきたわけじゃない。
そう、気づいた。



■その後。
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私と出会った人が
「君に会えて良かったよ」と
前向きになるだけでなく、
実際の動きへ一歩を踏み出せるような、
そんなパワーを与えられる存在になりたい。


そう感じさせてくれたのは、
私が失敗して、人間関係で悩んでいる時期に
出会った、ある人物、K氏の一言だ。

「おもいっきりやんな」

挫折して、失敗して、
人間関係も何もかもが嫌になりかけていた時期。
K氏の一言は私の心にダイレクトに響いた。

「私は、私らしくでいいんだ」
そう思ったとき
自然と力が漲ってきた。
今まで満たされていなかったものが、
少しずつ満たされていく。


「ああ、感謝だな」
自然と自分の中から言葉が溢れ出た。

感謝の気持ちが
自然と自分の中に芽生えるようになると、
今まで食べ物を敵視していた心が
少しずつ解け始め、
今はなんでも好きなものをバランスよく、
感謝の心でおいしく頂いている。

生きることへの姿勢や考え方も、
K氏の言葉で大きく変化した。

★過去★
「もう一日だけ生きてみよう」
周囲に与えられることに期待する受身な考え方

☆現在☆
「今日を精一杯生きてみよう」
自分からは何が出来るか?
何を与えて生きていけるのか?
という貢献の精神で、一日一日を丁寧に、
大切に生きる考え方。

K氏は私に自信を与え、可能性を引き出してくれた。
私は、K氏のようになりたい。
一人でも多くの人々に
『いまを生きていることのありがたさ』
『あらゆるものへの感謝』
を伝えていきたいと思う。


そのために、もっともっと
自分を磨きながら生きていきたい。

人生に絶望しきって、死を望む人は数多い。
同じ苦しみを味わって克服した私なら、
彼らになにかできるはずだと思う。

「もう一日生きてみよう」と思い直すだけでなく、
「今日を精一杯生きてみるよ!」と、
彼らが心から溢れる本気の言葉で
言ってくれるようになったら……。


彼らとそんな関わりを持てる人間になるのが、
現在の私の目標になっている。


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