小学生の頃から
弁護士を目指していた私の人生は、
恋愛の失敗と借金という
二つの要因で一変しました。
私の家庭環境は
決して恵まれたものではなく、
父親の暴力に怯える毎日を
過ごしていました。
そんな中、
母が離婚を決意し、
弁護士の助けを借りて
父の支配から抜け出したことで、
「言葉の力で人を守る」
という弁護士の仕事に
憧れを抱くようになりました。
法学部に進学し、
目標に向かって
まっすぐ努力していましたが、
大学時代の
彼氏との別れをきっかけに
心が揺らぎました。
失恋のショックを抱えた私に、
友人が
「ホストクラブに行って気分転換しようよ」
と軽いノリで誘ってきたのです。
そこは、
私が知っている世界とは
全く異なる世界でした。
初めて訪れたホストクラブでは、
まるでお姫様になったかのような扱いを受け、
推しのホストからは
「君みたいな人が来てくれて嬉しいよ」
「これから毎日会いたいな」
と甘い言葉を囁かれました。
これまで目標に向かって
ひたむきに努力し、
自分の感情を抑えて生きてきた私は、
その場所で初めて
「自分が必要とされている」
と感じました。
「もっと君と一緒にいたい」
「次は僕を1番にしてくれる?」
という言葉に胸が高鳴り、
次第にホストクラブに通う日々が
始まりました。
最初は手持ちのお金の
範囲内で楽しんでいましたが、
「1番になりたい」
「彼にもっと喜んでもらいたい」
という思いが強くなるにつれ、
出費が増えていきました。
推しの誕生日イベントでは、
「絶対に彼を盛り上げたい」
と思い、
限界を超えた額を使いました。
推しの笑顔や
「君がいなかったら寂しいよ」
という甘い言葉に心を奪われ、
「これこそが私が生きている証だ」
と感じるようになっていったのです。
しかし、それは
「色恋営業」
というものだったと
後から気づきました。
彼の言葉は
私だけに向けられたものではなく、
他の女性にも同じように
「君だけ特別だよ」
と囁いていたのです。
それでも、
私は彼が私を必要としていると信じて、
全財産を使い果たすほど
ハマってしまいました。