19歳の頃、中古車販売の仕事をしていが、
当時、トヨタ等の大手のメーカーが
中古車市場に参入し始め、
この業界でずっと食べていくのは厳しいと感じ、転職を考えた。
そんな頃、知り合いの、
「稼げる仕事」という一言に動かされ、
十日で1割、よくいうところの『十一(といち)』の
やみ金に関わることになった。
もともと営業力があったため、
わざわざ『十一』で借りる必要の無い人に借りさせ、
いい気になっていた。
借り主の多くは中小企業の二代目だった。
自分のところに返済する為に他から借りる等の借金地獄に陥り、
そんな中、自殺者も何人か出てしまった。
ある時、借り主の一人が実の父親に殺害されたという情報が入り、
急いでその現場に向かうと、そこは正に地獄絵図だった。
辺りは血の海、父親は既に常軌を逸しており、
既に息絶えた息子の手首を切り落とし、
バケツに流れ出る血をなみなみと溜め、ボーっと眺めていた。
その光景を目の当たりにしてからしばらく、食事が喉を通らなかった。