自宅や不動産は売却してすべて手放し借家に移り住んだが、
まだ大きな借金が残る。
銀行系列の保証会社から呼び出され
「今後無理のないところで毎月いくらなら返済可能ですか?」
と質問されて、「毎月五万円ずつ返します。」と真顔で答えた。
「返さないということですね?」とさらに鋭く念を押してくるので、
「一生かかっても絶対に全部返します!」と押し通した。
保証会社の人々はあきれながらも
「わかりました。それでは期日に遅れないように毎月お返しください」
と最後は捨て台詞とも思える言葉を厳しく投げかけられた。
すでに塾を開いていたので直ぐにお金がまわらなくなり、
頼みの税理士にも見放され、ワラをもつかむ思いで
新興宗教に救いを求めたりセミナー、講演会に参加して模索し続けた。
毎日が食うや食わずで、子供たちの学費だけは出そうと
サラ金・街金にも手を出した。
深夜や早朝の厳しい取立てに途方に暮れ、
自殺や夜逃げ、自己破産、
海外逃亡、偽装結婚など普通の人が考えることはすべて考えた。