私は幼い頃から、
自分が他の人と
何か違うと感じていました。
周りの人が
普通に過ごしている日常の中で、
私は「自分の居場所はどこなのだろう」と
考えることが増えていきました。
私はトランスジェンダーですが、
特定の性別に
強く引かれるわけではなく、
異性とも同性とも
付き合うことができました。
そのため、
恋愛に関しては
周囲に合わせて
異性との関係を築くことが普通だと
自分に言い聞かせてきました。
しかし、その一方で、
自分が
周りと違うと感じる経験を重ねるうちに、
心に少しずつ苦しみを
溜めていくようになりました。
髪型をある程度短くしていると、
「男の子みたいだよね」
と言われることがあり、
そのたびに心に
小さな傷ができていきました。
その傷は、
目に見えるものではないけれど、
確実に私の心をむしばんでいました。
特定の何かがきっかけで
「死にたい」と
思ったわけではありませんでした。
他の人の話を聞いていると、
私よりももっと深刻な理由で
悩んでいる人が
たくさんいるように感じていました。
それでも、
自分が他の人とは
何か違うという感覚が、
日々の生活の中で
じわじわと心を削っていきました。
何となく
「生きていることが虚しい」
と感じるようになり、
未来を思い描くことが
できなくなっていきました。