今から数年前の事。
同じ部屋に同居し、毎日一緒に仕事をしている友人がいました。
その友人とは、仕事でもプライベートでも、いつも一緒でした。
でもある日突然、その友人がビルから飛び降り、命を落としました。
ずっと一緒にいたのに、何故気づく事が出来なかったのか。
あの時、こうしていれば。
ずっと自分を責め続けました。
彼が死んだのは私が退職する3日前の出来事。
やめるなどと言わずに、一緒に仕事を続けていれば、結果は変わっていたかもしれない。
周囲からも毎日、何故気付かなかったのかと問われていました。
過去の自分を責めることしかできず、彼の死のことばかりが頭の中にありました。
自殺の理由を推察し、あれこれと考えましたが、ほんとうの原因は今でもわかりません。
私の心は荒れ、自分では気付きませんでしたが、その時の私は、すっかり感じが変わってしまっていたようです。
死が頭の中を何度もよぎりました。
とにかく、誰とも口をききたくありませんでした。
彼を良く知る人物から叱責を受けました。
あいつは友達思いだったから、今のお前を見たら悲しむ。
あいつが出来なかった事、大事にしていた事をお前が引き継がなかったら誰がやるんだ!
そう言われました。
私は目が覚めるようでした。
ありきたりの言葉かもしれませんが、当時の私には救いの光でした。
私は現在、住宅の販売という、一生に一度のお買い物をお手伝いする仕事をしております。
日々の生活の中でも、友人が大事にしていた人とのご縁を自分も大事にしています。
そして大切にし続けた結果、今では沢山の友人がいます。
悩みがある時には相談されるようにすらなってきました。
毎年の友人の命日には、お墓に今の自分を報告しに行っております。
生きテク・フォーラムは、体験や知識を共有し合い「心がホッとする方法」「悩みの乗り越え方」「生きづらさの解消」に迫ることを目的としたイベントです。